
帳簿や販売画面で「在庫8個」、棚には「7個」。このとき、画面をすぐ7個へ直せば、
その場の差は消えます。
しかし、出荷の記録漏れ、別の棚への移動、未処理の返品など、
理由を確かめないままでは次の注文でまた数が合わなくなります。
在庫数の変更は、現物と注文を守るための作業です。
この記事では、差を見つけてから修正後の確認までに、最低限残す記録を整理します。
結論:数と理由を一緒に残す
在庫を修正する前に、①対象商品、②どこで数えたか、③現物と画面の数、
④差が生じた時点の候補、⑤関連する注文や移動、を残します。
変更時は、担当者、変更理由、変更前後の数、確認時刻も記録します。
中小企業基盤整備機構の小売業向け資料でも、商品の入出庫を正確に記録し、
商品在庫を把握することが在庫管理の基本として示されています。
「後で調べる」だけでは、別の担当者が同じ差を再び直してしまうおそれがあります。
1. 同じ条件で数える
商品名だけではなく、SKU、色、サイズ、セット数、商品状態を確認します。
保管場所が二つある場合は、それぞれの場所で数えた現物を分けます。
検品待ち、返品後の確認待ち、注文へ引当済みの商品は、すぐ販売できる現物と混ぜません。
たとえば棚Aに5個、棚Bに2個、返品の検品待ちが1個なら、
「合計8個」とだけ書かず、棚A5・棚B2・検品待ち1と残します。
これなら販売可能数との比較で、どの数を含めたか後から追えます。
2. 差が生じた区間を探す
現物を数えた時刻と画面の更新時刻をそろえ、前回一致していた時点からの履歴を確認します。
その間の入荷、出荷、キャンセル、返品、棚や倉庫の移動、手動変更を順に並べます。
差が1個なら「出荷1件の処理漏れ」と即断せず、
該当SKUの注文番号と発送実績を突き合わせます。
注文が成立しても未発送のままなら、その1個は物理的には棚に残っている可能性があります。
反対に発送が済んで画面だけ減っていない場合は、別の差です。
差異調査の手順は「棚卸しの在庫差異を調べる」で詳しく整理しています。
3. 変更の判断と証拠を残す
原因が分かったら、変更理由を「棚卸し調整」だけで終わらせず、
「注文番号○○の出荷記録漏れを確認」など、確認した事実が分かる形にします。
未確認の推測は事実と分けて記録します。
記録欄の例は、確認日・時刻、担当者、SKU、保管場所、画面上の数、現物数、引当済み数、
差、原因、根拠となる注文・入出庫記録、変更前後の数、再確認者です。
個人情報を含む注文情報は、社内で必要な範囲に限定して扱います。
4. 更新後にもう一度照合
管理表を変更しただけでは、販売先の表示が同時に変わるとは限りません。
更新した対象SKUと保管場所を開き直し、
注文引当と販売表示が意図した数になったか確認します。
複数販売先へ同じ現物を表示している場合は、各販売先の更新時刻も記録してください。
原因が分からないまま急いで販売表示を修正する必要がある場合は、暫定対応であること、
未解決の差、次に調べる担当と期限を明記します。
結果が出たら暫定記録に追記し、履歴を消さないようにします。
まとめ:修正後も追える形に
在庫数の調整で大切なのは、最終的な数字と、そこへ至った根拠が残ることです。
SKU、保管場所、時刻、現物、注文、変更前後の表示を同じ行で追えるようにし、
次の棚卸しで再確認しましょう。
参考資料
記録欄は運用例です。特定の在庫管理サービスの機能や操作を前提にしていません。



